有機農法とは、化学的に合成された農薬や肥料に頼らず、植物が本来持つ抵抗力や耕種的・物理的に病害虫が作物に害をなさないように自然環境を利用し、微生物や天敵昆虫・小動物と共生した栽培方法と山藏農園では位置づけてます。
「病気がでたから」「害虫が増えたから」その事象に対処するのではなく、いかに病気が出にくい環境・害虫が増えにくい環境を作るか、植物が過度なストレス無く育つかを主に考えています。
人の医療で例えるなら
- 病気なったから治療薬を飲む≓慣行農法
- 病気にならないように普段から予防する≓有機農法
と考えています。
また、自分よがりのルールで有機栽培をするのでは無く、有機JASに則った自社ルールをつくりそのルールが有機JAS規格に則しているかなど第三者機関に監査してもらい、年次調査を経て有機JASを取得しています。
山藏農園では当初は認証機関:岐阜県 でしたが岐阜県が有機JASの登録認証機関業を廃業したことで2015年からは登録認証機関:有機農業推進協会にお願いしています。
認証番号:15-003
無農薬野菜って?
現行の日本の法律、特に農薬関連の法律「農薬取締法」では様々なものが農薬として定義されています。
農薬取締法で農薬と定義されているもの≓農薬 と日本の法律では言えます。
定義されているものにはもちろん、化学的に合成された農薬もあり、多くの方が『農薬≓化学的に合成された農薬』という認識があり『農薬=危ない』という認識かと思われますが・・・
確かに用法や用量を守らず使えば危険なものが多いですが、それぞれの農薬に化学的知見からのデータがあり、そのデータを元に使用濃度や使用回数、収穫何日前までであれば残留しない等が管理されています。
人でいう「薬機法」的立ち位置です。
ですが、日本の「農薬取締法」のなかには化学的に合成された農薬だけでなく、
- 生物農薬(微生物が産みだした物質、微生物そのもの)
- 天敵昆虫(テントウムシ、肉食性ダニ、寄生バチetc)
までもが農薬として登録されています。
ちなみに天敵昆虫までも農薬登録されているのは私が知る限り日本だけです。
農薬取締法上でいうならば 例えば天敵昆虫・テントウムシをアブラムシの防除(捕食)用に導入したら農薬取締法上では農薬あつかいになります。
重曹や食酢を使っての無農薬栽培というのも聞きますが、これらも農薬取締法上では農薬(特定農薬)扱いです。
現行の農薬取締法でいうならば 無農薬栽培というのは日本では存在しえない栽培になります。
あえて言うならば、「化学的に合成された農薬不使用」や「栽培期間中化学農薬不使用」といった感じになります。
なかには実際に無農薬での栽培もあるのですが・・・現行の法整備が不十分なためすべてが自称になってしまいます。
山藏農園では、自称有機栽培にならないために第三者からの監査を受ける有機JASを取得しています。
有機JASをとりたくて有機栽培を行っているのではなく、日本の現状では胸を張って有機栽培とうたうには有機JASを取得する必要があるため取得しています。
有機JASの有機許容農薬って?
有機JASでは有機許容農薬という有機JASでも使ってよい農薬の一覧【別表2】があります。
それらを中身も知らずに、だた「農薬」という名称から拒否反応・拒絶反応を示す方が残念ながらいらっしゃいます。
先の項目で日本の「農薬取締法」について触れましたが、生物農薬や天敵昆虫も日本では「農薬」(特定農薬)扱いになります。
有機JASでは化学的に合成された農薬は使用できません。【別表2】の農薬は元々自然界にあった成分が農薬登録されているだけで、人為的に化学的に合成された成分は使えないように定義されています。
有機許容農薬が定められているのは、日本の法律の「農薬取締法」に生物農薬や天敵昆虫が「農薬」のくくりに入っているためです。
生物農薬って?
生物農薬とは、化学的に合成された農薬では無く 微生物由来の成分や微生物そのものを指します。
人用の薬でいうペニシリン的な存在です。ペニシリンはご存じの方も多いように、青カビ由来の抗生物質です。
抗生物質は病原菌の発育を妨げることのできる、微生物によってつくられた物質です。
植物用の抗生物質も多数あり、微生物が産みだした物質を「農薬取締法」では『生物農薬』と位置づけられてます。
また、微生物が生成した物質自体もあれば、生成する前の微生物自体も『生物農薬』と位置づけられてます。
天敵昆虫、天敵微生物
生物農薬のなかには目に見えない微生物もいれば目に見える『天敵昆虫』も多数います。
そもそも昆虫は
- 草食性昆虫
- 肉食昆虫
- 雑食昆虫
にわかれます。
農業分野では「草食昆虫」や「雑食昆虫」が害虫として扱われます。
天敵昆虫の種類
■寄生型
卵や幼虫に寄生して内部から食い破り羽化するタイプです。
アブラムシなどを見つけ、その体内に卵をうみつけ寄生して、アブラムシを栄養源にして成長する寄生蜂などです。それによりアブラムシ(害虫)の個体数を減らします。
さらに寄生したアブラバチを探してさらに寄生するヒメタマバチなどもいますが、こちらは害虫になります。
害虫 | 天敵昆虫 |
---|---|
アブラムシ | 一次寄生蜂・アブラバチ |
二次寄生蜂・ヒメタマバチ | アブラコバチ |
アブラムシ | ギフアブラバチ |
■肉食型(捕食型)
害虫 | 天敵昆虫 |
---|---|
アブラムシ | テントウムシ |
草食ダニ系 | 肉食ダニ系 |
スリップス(あざみうま) | 肉食ダニ系 |
アブラムシ | クサカゲロウ(土着天敵) |
■雑食性昆虫
少し前まで害虫扱いでしたが、実は害虫も食べるという雑食性昆虫。
密度が増えると植物へのダメージが増えますが、害虫の防除にも役立ってくれます。
害虫 | 天敵昆虫 |
---|---|
スリップス | カスミカメ(雑食性昆虫) |
■寄生捕食型
成虫(雌)アブラムシ吸汁 + 寄生の珍しいハイブリットタイプ
害虫 | 天敵昆虫 |
---|---|
アブラムシ | チャバラアブラコバチ |
■病原微生物
人がいろいろな病気にかかるように昆虫も病気かかります。
人為的に昆虫がかかる病原微生物を散布してそれに罹患させて昆虫(害虫)を退ける方法があります。
自然界でも、害虫が増えると淘汰圧が働き一時的に数は増えるものの、一定数以上は増えなかったりします。
それを人為的に手助けして害虫の発生や増殖を制限しています。
パッケージ
環境に負荷をかけない栽培を目指しています。
それは流通過程でも同じで、パッケージや包装に関しても極力環境に負荷をかけないように心がけてます。
派手なパッケージは見栄えがして店の雰囲気を華やかに彩ってくれますが、それはどちらかというとお店側の要望が大きい様に感じます。
お店ではお客様が手に取った瞬間 容器≓ゴミとなると思っており、いかにゴミを減らすかを考えています。
パックから袋へ
ミニトマトのパッケージ≓パック というイメージが強いですが、パッケージに正解はないと常々思っています。
大玉トマトもいち早く、プラスチックトレーから袋に変更しました。
袋も当時はスタンドパックの袋を使用していました。
出荷時は綺麗な状態でしたが、ある日店頭に並んでいる商品を見てみると、結露していたのです。
結露してしまうと水分で作物が痛たみやすくなってしまいます。
どうにか改善できないかと考え、ある展示会で現在の袋に出会いました。
その後は結露も無く、棚もちがよいとのお声も聞けるようになりました。
パックから袋に変えることにより、
- 仕入れの輸送コストも下がり
- 発送時の入り数も増え
- 輸送コストが下がり
さらには鮮度保持系のフィルムを使っている為、棚もちも向上しました。
また、パックやトレーよりもゴミが減り環境にも優しくなりました。
現在の袋は通過点に過ぎず今後も常に環境や消費者目線で物事を考え改善を続けて行きたいです。
大玉トマトをトレーから袋に変更しましたが、ミニトマトなどもパックから袋へと変更しました。
(一部パックでの対応もしています。)
同じく鮮度保持系のフィルムを使い、2タイプのオリジナル袋を作りました。
輸送時の事故等の懸念もありましたが、包材を工夫することでそれらも解決しました。
プラから紙へ
いろいろな面でプラスチックが悪者にされプラから紙へ移行していますが、いきなりすべてを紙にすることはコスト的にも現実的ではありません。
山藏農園では、できるところから徐々に変えていこうとおもっています。
その取り組みのひとつが、紙や段ボールでの箱の作成でした。
元々業務用は段ボール箱で出荷していましたが、2kg・1kg・500gの規格も紙や段ボールにてオリジナル包材で展開するようになりました。
使用する紙も漂白したものでなく、クラフト地の無漂白のナチュラルカラーを使っています。
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