山藏農園のトマトができる過程を紹介します。
育苗(1月~5月)
山藏農園では種をまき、苗を育てるところから始まります。
農業には「苗半作」という言葉があり、苗作りの大切さを表している言葉です。
手間ひまをかけ丈夫な苗を育てることで、病気に強く、美味しいトマトになってくれます。
様々な種類の種から、その年に栽培するトマトを選定していきます。
定番のトマトから取引先様ご希望のトマト、山藏農園としてチャレンジしたいトマトなど、その数80種類以上!
- 穂木を育苗箱
- 台木をセルトレー(写真はセルトレー)
に種を播いて、発芽適温で数日管理して芽を出させます。
発芽適温:28度前後 およそ 3日で発芽
セルトレーと育苗箱で別けるのは接ぎ間違い防止の為です。
実をつける『穂木』と台座になる『台木』をつなげます。
美味しい実をつけるが病気に弱い『穂木』と、実は美味しくないけど病気に強い『台木』を【接木】することで、美味しい実をつける病気に強いトマトを作ることができます。
接木後は、温度・湿度・照度を一定に管理してから(養生)、環境の変化に慣れさせるために日の光の下へ移動させます。(順化)
日光の当たる時間も管理するため遮光ネットをなどを用いながら環境に適応させていきます。
接木後、養生→順化を経て、癒着したら(台木と穂木がくっついたら)育苗ポットへ植え替えていきます。
鉢上げ後は、水の量・温度をしっかり管理し、太陽光の下で育てていきます。
そうすることで、水や栄養分をしっかり吸収するようになり、圃場に行ってからも元気に育ってくれるようになります!
育った苗を圃場へと運びます。
育苗期間は植える場所や時期によって異なり、10回ほど繰り返します。
圃場での管理(3月~9月下旬)
土壌診断(3月)
健全な野菜を作りには土作りが大事です。 山藏農園では、植え付けが始まる前に土壌診断を行います。
その畑にどれだけの栄養成分があるかがわからないとどれだけ肥料を与えればよいかわからないからです。
闇雲に肥料をあげると余分な肥料を吸い植物も肥満化し病気に弱く、害虫を寄せやすくなります。
また、余分な肥料が畑以外に流失して環境破壊にもつながります。
土壌診断を行うことにより適正な肥料の量がわかり栽培する野菜に最適な肥料の量を与えることができます。
土づくり(4月~6月)
ライ麦裁断
山藏農園では、作が終わった後にはライ麦を撒き、残った余分な栄養分を吸ってもらっています。
そのライ麦を裁断・すき込みし、土地の肥沃化に貢献します。
ライ麦は根が深く、堅い土を壊してくれ、すき込むことによって土壌が改良されます。
深耕施肥・上面施肥・耕耘
植物由来の堆肥を作り、それを春先に畑に投入しています。
堆肥の元も山藏農園の圃場の法面の茅やススキを主な原料としています。
近年では近くのきのこを栽培している会社から廃菌床(キノコを育てた培地)を用いて堆肥化して地域内での資源循環も取り組んでいます。
霜が降りる頃に枯れた茅やススキを一斉に刈り取りそれを野積みして発酵を促し堆肥とします。
その堆肥を一冬ほど寝かせて良質な有機物として畑に投入します。
灌漑設備・マルチング・誘引器具の設置
- 水を供給するための灌漑設備の設置
- 土の保護・保温・保湿、雑草防止のためのマルチング
- 伸びる葉や茎を支柱で支えるための誘引器具の取り付け
などを行い、定植への準備をして行きます。
育った苗を、等間隔になる様に植定していきます。
山藏農園では毎年だいたい25,000本ほど植定を行います。
植えた後はトマトに灌水(水やり)をして活着(根付き)を促します。
伸びた樹を伸ばす方向へ「誘引」したり、つるの「除枝・整枝」を行っていきます。
細かな手入れをすることによって、樹の様子や病害虫の発生予察、手入れの振動により受粉にも役立っています。
天敵昆虫で防除している害虫は「一匹見たら注文」を合い言葉に、害虫の被害が大きくならない様に天敵昆虫を発注し、作業しています。
詳しくは有機栽培への取り組みページで詳しく紹介しています。
樹で完熟や完熟に近い状態になったら収穫です!
傷つけない様に丁寧にもいでいきます。
出荷作業
圃場から出荷場へ。
目視で傷や痛みなどを選別しながら袋やパックに詰めます。
一昔前は選果機を使っての選果作業を行っていましたが、果実に余計な負担をかけるのと消費者がそこまでサイズにこだわってないことを知り選果を辞めました。
小分けしたものを箱に詰めて出荷作業。
昨今の輸送費の高騰で箱のサイズや入り数なども工夫して梱包しています。
全国様々な地域へと出荷していきます!